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施設に入ったあとに家を売っても、3,000万円控除は使えるか

住んでいた家を売って利益が出たとき、その利益から最高3,000万円を差し引ける特例があります。親が老人ホームに入って住まなくなったあとでも使えますが、売るまでの期限があります。親が亡くなったあとに売る場合は、別の特例になります。

野池 怜溫(株式会社Flashark 代表取締役)/ 公開 2026年9月19日

住まなくなってからでも使える。ただし期限がある

自分が住んでいた家とその土地を売ったとき、一定の条件を満たせば、売った利益(譲渡所得)から最高3,000万円を差し引ける特例があります(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除)。

施設に入って住まなくなった家でも、住まなくなった日から3年たつ日がある年の、12月31日までに売れば(たとえば2025年に住まなくなったなら2028年12月31日まで)、この特例を使えます。「いずれ売る」と先送りしているうちに期限を過ぎると、使えなくなります。

住民票を実家に残していても

長く暮らすつもりで施設に移った場合は、住民票を実家に残していても、生活の拠点は施設に移ったと考えられます。3年は、施設に入った時から数えると考えておくのが安全です。

施設に入った日売る期限の目安
2025年のうち2028年12月31日まで
2026年のうち2029年12月31日まで

期限は、住まなくなった日から3年たつ日がある年の12月31日です。個別の条件(ほかに使った特例がないかなど)は税務署か税理士に確認してください。

使えない主な場合

こんなときは特例は
期限を過ぎてから売った使えない
買い手が配偶者・子などの親族使えない
前年・前々年にこの特例を使っている使えない
売った年・前年・前々年に、住み替えの特例などを使っている使えない

国税庁「マイホームを売ったときの特例」より主な場合を抜き出しました。すべての条件ではありません。

親が亡くなったあとに売る場合

親が亡くなってから、相続した実家を子どもが売る場合は、上の特例ではなく「被相続人(亡くなった方)の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」を検討します。こちらも最高3,000万円を差し引ける特例で、2027年12月31日までの売却が対象です(2026年9月時点)。

主な条件内容
建てられた時期1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家
売る期限相続が始まった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
売却代金1億円以下
建物耐震の基準に合わせるか、取り壊す(2024年以降の売却は、耐震工事や取り壊しを買主が行う場合も対象)
控除の上限最高3,000万円。2024年以降の売却で相続人が3人以上なら、1人あたり最高2,000万円

国税庁「被相続人(亡くなった方)の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」から主な条件を抜き出しました。マンションなど区分所有の建物は対象外です。

老人ホームに入っていた場合も対象になりうる

以前は、亡くなる直前まで親が実家に住んでいたことが条件でした。2019年4月以降の売却からは、要介護認定または要支援認定を受けて、有料老人ホーム・特別養護老人ホーム・グループホーム・サービス付き高齢者向け住宅などに入っていた場合も対象になります。ただし、施設に入ったあとも実家を親の荷物の保管などに使い続けていて、人に貸したり、ほかの人が住んだりしていなかったことが条件です。

相続税を払った場合は、払った相続税の一部を、売った家の取得費(家や土地を手に入れたときの代金など)に足せる特例(取得費加算)もあります。ただし、空き家の特例と取得費加算は一緒には使えません。どちらが有利かは、税理士に試算してもらいます。

期限から逆算して、施設探しと売却を組み立てる

特例を使うかどうかで、手元に残るお金が大きく変わることがあります。施設に入った時期と売る時期を先に並べて、いつまでに売るかを決めておくと、施設の選び方や支払いのプランも立てやすくなります。当社は税金の判断はできませんが、売却の時期を踏まえた施設探しと費用の見立てをお手伝いします。

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この記事を書いた人

野池 怜溫— 株式会社Flashark 代表取締役。東京・名古屋・浜松の3拠点で、病院の地域連携室・ケアマネジャー・ご家族から老人ホーム探しのご相談を受けています。(高住連)紹介事業者届出公表制度(届出番号)25-1023。

Instagramでも発信しています — 施設の種類・費用・入居までの流れを、図でご説明しています。@flashark_kaigo →

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